アークセンサ信号(電圧波形)に及ぼす仮付けビードの影響を調査した結果、回転の左右(R,L)周辺よりも回転の前方(Cf)付近で波形が歪む傾向が認められたので、アークセンサ制御における電圧波形の比較領域(積分領域)について検討した。図2.7に比較検討したアークセンサ積分領域を示す。(a)は従来の標準であるCf中心90度、(b)は左右RL中心90度の積分領域である。図2.8に仮付け部のビード形状に及ぼすアークセンサ積分領域の影響を調査した結果を示す。溶接電流が450Aの場合はいずれも仮付けビードの影響は認められないが、350Aでは(a)のCf中心90度の積分領域の場合に仮付け部でトーチ狙い位置がわずかに下板側にずれる現象が認められた。上記結果より、アークセンサ積分領域を(b)の設定とすることにより、溶接線倣いにおける仮付けビードの影響は無視できると判断した。