日本財団 図書館


2.3 トーチ高さ制御

アークセンサによるトーチ高さ制御の原理を図2.6に示す。ワイヤの送給速度が一点で定電圧特性の溶接電源を用いるGMAW(ガス・メタル・アーク溶接)においては、トーチ高さ(卜一チ・母材間距離)が変動してもアーク電圧すなわちアーク長はほぼ一定に保たれる。これはワイヤの溶融速度が送給速度と一致するように溶接電流が自動的に変化するからである。したがって、溶接トーチの平均溶接電流値を検出し、基準電流よりも高い場合には溶接トーチを上昇させ、また逆に低い場合には下降させれば、常に一定のトーチ高さを保つことができる。これが、アークセンサによるトーチ高さ制御の原理である。トーチを揺動させる場合は揺動位置に応じて溶接電流が変化するため、平均溶接電流の検出は揺動の1周期毎に行う方式が有効である。

 

147-1.gif

 

2.4 仮付けビードの影響

曲がりブロックの各部材は自動溶接の前工程にて手溶接または半自動溶接により仮組される。したがって溶接継手には部分的に仮付けビードが存在するが、既出の図2.2から明らかなように仮付けビードは溶接ビード形状やアークセンサに影響を及ぼす。一般的に溶接の自動化を図る場合には、仮付けビードの脚長を必要最小限に管理する必要がある。表2.1に本システムにおける仮付け溶接の施工標準を示す。

 

147-2.gif

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION