卜一チ運棒方式による比較実験結果を図1.2に示すが、特に高電流高速溶接性(条件Aにおけるビード平滑度)や耐ギャップ裕度(条件Cにおける溶融金属のギャップ侵入量)において?の高速回転アーク法が優れていることが分かる。また、後述する溶接線自動倣いを始めとするアークセンサ性能においても?ウィービング方式よりも?の高速回転アーク法が優れていたため、水平隅肉溶接法として高速回転アーク法を採用した。
表1.2に溶接材料の選定結果を示す。プライマ鋼板における耐ピット性、非密閉型(風が吹き込む)工場環境における耐ブローホール性能(風速に対するシールド性)、溶材コストなどの観点からシールドガスはCO2100%を前提とした。ワイヤの材質はビード外観形状(特に立向溶接との兼用性)や傾斜溶接における耐アンダカット性能、スパッタ発生量などの観点から選定した。また、ワイヤの外径は太径(1.6?)では傾斜溶接においてアンダカットが発生しやすく、細径(1.2?)ではワイヤ送給の安定性やタッチセンシングにおけるワイヤの剛性に問題があり、1.4mφを選定した。