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(c) 溶接装置を溶接部ヘアクセスさせる方式の選択

曲がりブロックの板継ぎ溶接は曲面傾斜部材上の作業であり足場が不安定なことから、人力でハンドリングできる溶接装置重量は15〜20?程度が上限であると思われるが、検討した溶接装置の仕様からそこまでの軽量化は極めて困難であると言える。したがって、本システムでは溶接装置の溶接継手ヘアクセスは人力ではなく機械で行う方式とした。

上記アクセス装置の方式および仕様について、実際の現場作業を想定して現場作業者とも検討した結果、溶接ロボットの吊下げ移動の方式よりもかなりの重量となるケーブル処理を簡便に行える機能が重要であることが指摘された。そこで溶接ロボットのアクセス方式は最も機構がシンプルな門型ガントリーとし、溶接ロボットの走行に伴いケーブルが自動的に追従する機能を付加することにした。

図5.9に門型ガントリーの概略構成を示す。門型ガントリーはレール走行軸とビーム横行軸の2軸から構成され、吊り上げ装置の先端にケーブル自動追従用のセンサが取付られている。原理的には、溶接ロボットの前後・左右方向の動きは2対のリミットスイッチにより、上下方向の動きは1対の近接センサにより検出する。溶接ロボットの走行に同期して、上下・左右・前後の各3組のセンサが移動方向を検知し、ケーブルの巻き上げ、巻き降ろしや横行軸・走行軸の追従走行を自動的に行うものである。溶接および制御ケーブルの処理はケーブルハンガ方式とした。また、制御盤はガントリー本体に搭載し、操作ペンダントは吊り下げ方式とした。

 

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