図5.8に溶接台車本体の構造を模式的に示す。台車は機構的に、走行ユニットと溶接ヘッド搭載フレームの2つから構成されている。
走行ユニットは、モータの回転を走行ピニオン(レール上のラックと噛み合う歯車)に伝達するギアボックスと、ガイドローラによりレール側面のV型突起を左右から挟み込むクランプ機構から構成される。溶接台車のレールヘの着脱はクランプレバーによりワンタッチで行える。
溶接ヘッド搭載フレームは、溶接ヘッドを搭載するべ一ス板とその荷重を支持するローラ車輪により構成される。ローラ車輪は曲面部材上を走行するため、3個の車輪をフレームに固定し、バランスを取るためにサスペンション付きの車輪を補助的に取付けている。なお、3次元的に変化する曲面部材上を走行する場合、レール取り付け平面と台車走行平面とが常に平行とはならないので、走行ユニットと溶接ヘッド搭載フレームの間に傾きを吸収する機構を設けた。