図5.1に水溶接ロボットの軸構成を示す。溶接ロボットの電動制御軸は、?走行台車(Z軸)、?センサ揺動軸(XS軸)、?先行左右軸(XL軸)、?先行上下軸(YL軸)、?後行左右軸(XT軸)、?後行上下軸(YT軸)の合計6軸である。X,Y,Z軸はそれぞれ直交配置である。溶接台車はワーク面上を走行するため、常にX軸は開先幅方向、Y軸がトーチ高さ方向、Z軸が溶接方向となる。また、溶接トーチの角度制御軸は設けておらず、常に溶接継手に対して一定の姿勢となる条件のもとで適正溶接条件の選定を行った。
ところで、溶接継手が左右(開先幅方向)に傾斜している場合、先行の溶接ビードはその影響をあまり受けないが、後行ビードは溶融金属が重力により垂れ下がり左右非対称となる傾向がある。後行電極の非対称ビードの改善策として、後行電極を斜めに揺動させる実験を行ったが顕著な効果は得られず、また機構部の軸構成も大がかりになることから、後行電極の揺動方向は開先幅方向のままで両端停止時間を左右で変えるなど揺動動作を左右非対称とする機能を制御装置に付加した。
次に曲がりブロックの部材端(エンドタブを含む)までの溶接を行う場合のワークに対する溶接ヘッド位置を図5.2に示す。この場合、溶接ヘッドを曲がりブロック端部よりオーバーハングさせることが必要となる。