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溶接条件データの登録方法の概要を図4.1に示す。適正溶接条件の入力には市販の表計算ソフトを用いてデータを登録する。この作業は溶接ロボットとは別の場所で行うため、オフラインプログラムと呼ばれている。全溶接条件データの入力が完了すれば、オフラインプログラム用パソコンと溶接ロボットの制御装置内にあるシーケンスコントローラを通信ケーブル(RS-232C)により接続し、データを転送する。実際には、転送時間とシーケンサでの計算時間を短縮するため、中間処理プログラムにより表計算ソフトのデータの換算と圧縮を行ってからデータを転送している。本システムによるデータ転送時間は約5分である。溶接条件データの修正も同様にオフラインで行うが、一部の溶接パラメータについては操作ペンダントにより、溶接中も手元で微調整が出来るようにしている。

 

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(b) 上位情報からの溶接継手条件の取り込み方法の設定

本ロボットに必要となる溶接継手情報を表4.3に示す。開先ギャップや溶接線傾斜はセンサで検出し、溶接ロボットを継手の溶接開始位置にセットする作業もオペレータが行うので、教示が必要となる情報は板厚だけである。そこでオペレータが操作ペンダントを用いて板厚を教示し、上位システム(CAD/CAMデータ:設計・施工情報)との接続は行わない方式とした。なお、溶接開始後のロボットの監視は不要であるが、溶接線途中で板厚が変化する場合にはオペレータが板厚変化部でペンダントにより板厚値を変更する必要がある。

 

 

 

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