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本溶接ロボットでは溶接線の前後傾斜と左右傾斜検出用に2式のセンサを台車のベース上に取り付けている。図2.11に前後傾斜と左右傾斜の定義を示す。前後傾斜角(θL)は溶接進行方向と水平面の成す角度、左右傾斜角(θT)は開先幅方向と水平面の成す角度と定義した。この傾斜センサ出力を溶接ロボットの制御装置に溶接中リアルタイムに取り込み、傾斜角度に応じて、データベースに基づき溶接条件を適正に制御する。

 

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(C) 倣い機構部方式の選択

溶接トーチの倣い機構は、最もシンプルな直交2軸のスライドブロックによる方式を選定した。また、溶接トーチ角度は開先に対して常に一定とし、開先ギャップや溶接線傾斜の変化に対する調整は行わない方式とした。倣い機構部の軸構成を図2.12に示す。以後、トーチ高さ方向のスライドブロックをY軸、開先幅方向をX軸と呼ぶ。いずれのスライドブロックも、溶接線倣い制御の精度と応答性を確保するためにTG(タコジェネ)付の直流サーボモータによるフィードバック制御とした。位置検出器にはポテンショメータを採用した。表2.3に各スライドブロックの概略仕様を示す。

 

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