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ところが、厚板溶接などにおいて溶接速度が極端に遅い場合にはアークの回転位置に対して溶融プールの位置が前進しアークよりも先行すると溶融プールの表面形状の影響を受けてアーク電圧波形が歪み、アークセンサの性能が低下する場合がある。また、後行電極は従来の直線反復揺動式であるため、トーチの揺動速度が遅くアークセンサによる開先倣い制御の性能が低く、十分な倣い性能を得ることが困難な場合も考えられる。そこで、本システムでは表2.1に示したように、レーザセンサ揺動式の開先倣い制御機能も開発した。その概要を図2.7に示す。

 

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レーザセンサとは、レーザスポット光を検出対象に照射し三角測量の原理でセンサと検出対象との距離を測定する変位計の一種である。本システムではレーザセンサを溶接トーチ前方で開先幅方向に揺動させ、開先形状を溶接中リアルタイムに検出する機能を有している(開先形状検出システムの詳細は後述する)。この機能の目的は開先ギャップの変動を検出し溶接条件を適正に制御することであるが、このシステムでは開先中心も同時に検出することができる。この開先中心位置情報により、先行電極および後行電極の開先ならいを行うことができる。具体的には、レーザセンサによる開先中心の検出位置を記憶しておき、センサとトーチ間距離分だけ遅延してトーチ位置を制御するという、いわゆる記憶&遅延再生式ならい制御を行っている。

 

 

 

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