直物部材、直交取付けのため自動化が容易であり、後者は曲がり部材、傾斜取付けのため自動化が困難である。
? 溶接設備は平行部に於いて板継ぎ〜二重構造立体に至り自動溶接、溶接ロボットが適用され90%以上の自動化が進んでいる。一方、曲がり部に於いては手溶接が主体で、適用制限はあるものの簡易ロボット、簡易自動溶接機が普及しつつある。
(4) 大組立工作法
? 平行部ブロックに於いてはロンジ先行溶接組立工法が主力でオイルタンカーではスリット式トランス差込み工法が普及しつつある。
? 曲がり部ブロックに於いては一部ロンジ先行溶接組立工法を採用しつつあるが適用範囲は狭く、バラ配材組立工作法が主力となっている。
? 平行部と曲がり部の大組立溶接長比率はオイルタンカーで約70:30、バルクキャリアで約50:50であり曲がり部の作業量が多いのは船体長さと流線形状の関係によるものと思われる。
(5) 大組立の能力・能率比較
? ブロック組立個数/日の能力は平行部2.7個/日、曲がり部2.4個/日であり、曲がりブロック製作は時間がかかる。
? ブロック組立能率は平行部4.9m/MH、曲がり部2.6m/MHで曲がり部の能率は平行部の半分で極端に悪い。これは溶接長が平行部より少ないにもかかわらず作業人員が多い、即ち自動化が進んでいないのと、溶接長当たりの作業密度が大きいためと考えられる。
(6) 曲がりブロックの現状と将来
?. 曲がり外板の板継ぎ溶接
? 溶接方法は片面溶接が主力であり治具仮付法から面内仮付法に移行しつつある。溶接手段はC02溶接とサブマージ溶接が主流。
? 継ぎ手状況で面内仮付は開先角度範囲40〜50度±5度、板厚範囲5〜50mm、ギャップ0〜5mm、シーム方向最大傾斜角度17度、バット方向最大傾斜角度15度(手溶接は90度)迄適用している。一方、治具仮付は開先角度範囲40度-5度+10度、板厚範囲8〜40mm、ギャップ2〜10mm、シーム方向最大傾斜角度17度迄適用している。
溶接治具は各溶接法共エンドタブ形状はV板、開先付板、平板、溝付板形状である。但し治具仮付には馬板を使用している。
? 溶接法毎の溶接材料は各社共銘柄は異なるが同系列のものを使用している。又、片面溶接法の使用溶接機はC02自動溶接では簡易自動溶接機のシングルとタンデム、サブマージ溶接機はSW-24,41のシングルとタンデムである。両面溶接法ではSW-24,41のシングルである。
? 板継ぎ溶接に関する問題点は「手溶接主体で低能率であり又、自動溶接は手直しが