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多くセットに手間を要する」等がある。これは「他に高能率溶接機が無く、傾斜、開先精度に追従出来る自動溶接機が無い。又自動溶接機のハンドリング、セットに労力を要する」が原因である。各社の理想の溶接法をまとめると、「レール無しの自動開先倣いで傾斜角±30度迄適用出来、仮付溶接が裏ビード形状に影響しないもの」である。

?. 曲がり外板付き骨部材の溶接

? 隅肉溶接部の溶接法は水平下向き姿勢溶接部では曲がり外板×ロンジに一部小型ロボット(HICURVE)を適用している以外は簡易自動溶接機(グラビティー、キャリーボーイ、スミオート他)等と手溶接が主流である。一方、立向姿勢溶接部は全て手溶接となっている。

? 各溶接継ぎ手の溶接適用状況より曲がりブロックの溶接部は平行部に比べて部材倒れ(±45度)、ギャップ(Max.5mm)、溶接線傾斜(Max.45度)とこれらの変化が悪条件として加わるため現状の自動溶接機、簡易自動溶接機等の単一溶接条件式では適用出来る範囲が狭い。よって溶接継ぎ手の状況へ自由に対応出来る手溶接が主流になっている。

? 溶接材料については各社の銘柄は異なるが同系列、同材である。

? 溶接装置のブロック内移動方法は人による移動が主体であるがブロックの真上に溶接装置を吊下げ東西南北、上下に移動させる吊下げ装置が普及してきている。方法としては、旋回伸縮ブーム式と藤棚式がある。

? 曲がり外板付き骨部材の溶接に関して「自動溶接機の適用が困難であり能率、品質面で効果が低い」の問題がある。これは溶接部の傾斜、ネジレ、精度不良に対する溶接適用条件が限られており対応させるには装置が複雑になり又、ハンドリングも困難になる事が原因である。各社の理想の溶接法をまとめると、センシング機能を有しマルチアーク化が可能で経済的な溶接ロボットによる全自動溶接装置である。これに対して各社とも理想に向けた開発検討を行っている。

 

「3次元曲がり部ブロック大組立システムの研究」アンケート調査集計表

 

調  査:平成8年8月〜10月

調査会社:日本鋼管(株)     津製作所

石川島播磨重工業(株) 呉一工場

三井造船(株)     千葉事業所

日立造船(株)     有明工場

住友重機械工業(株)  追浜造船所

川崎重工業(株)    坂出工場

三菱重工業(株)    長崎造船所

 

 

 

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