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(2) ジョイスティック使用に関する問題点の整理と対応

運航員へのヒアリングから、以下に示す問題点が挙げられた。

?ハンドモードからジョイスティックモードへの切替えに煩雑さがある。

アクチュエータ構成する主機(CPP)、特殊舵、バウスラスタの仕様は在来船で単独の使用を前提としたもので、電源スイッチが個々に存在している。また、ハンドモードでの個々の制御信号系からジョイスティックモードでの制御信号系への切替えに順序・条件がある。入航着岸時では船体制御(速力・針路)に特に注意を要する局面であり、操縦モードの切替えが円滑に行えないことは許容できない。

?横移動時に前進推力が発生する。

内航近代化実証船の運航形態(中・長距離を航行する)から、経済性を考慮して特殊舵にはフラップ舵が採用された。横移動時にはフラップ舵は最大舵角40度がとられプロペラ水流を横方向へ向けるが、全ての水流を偏向できず前進方向の水流が残り推力が発生する。設計段階では、この場合は適宜後進推力を与えることによって平均的に横移動を図ることとされた。

メーカから運航員に対して、この特性およびこの特性を考慮したジョイスティックの操作方法が説明されたが、運航員は前進推力の発生およびこれをキャンセルするための後進推力を出すのは不安である(バースの前後に他船が係留している状況が多く、横移動時での前進・後進推力は、これら他船への接近・接触の危険を招く可能性を持っているため)と感じている。横移動時に発生する前後進推力はジョイスティックで調整する必要があるが、そこまでの使用には至っていない。また、前後進の大きさは制御の面から調整可能であるから、実際の操船に適するように船に応じた調整をするような工夫が必要かも知れない。

これらの問題について、以下の対応がとられた。

 

 

 

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