4.3.1 パソコン機種の選定
旧システムの開発時点(平成3年)ではパソコンでは性能が不十分であったので、エンジニアリング・ワークステーション(EWS)を中心とした機器構成を選択したが、現在ではパソコンの性能も格段に良くなっているので、充分に目的の機能を発揮する事が出来る。
パソコンの選定基準として
i)市場占有率の高いアーキテクチャであること、
ii)ストレスなく拡散漂流シミュレーションプログラム(以下プログラム)を実行出来る程度の速度を持つこと、
iii)使用環境を選ばず、扱いやすいこと、
等が考えられる。i)については、IBM DOS/V互換機が適当と考えられる。ii)については、現時点で最速のものを選択することで、従来のプログラム(以下旧プログラム)と同程度の速度が得られることが分かった。iii)については、場所を取らず、現場等での使用も可能となるノート型パソコンが望ましい。
通常ノート型パソコンは速度、画面表示、拡張性の点でデスクトップ型パソコンに劣ると言われることが多いが、速度、拡張性については、今回の使用範囲においては問題ない。画面表示については、必要に応じてCRTを接続出来るので、これも問題ない。
上記内容を勘案した結果、以下の機能を満たすパーソナルコンピュータを選択した。
CPU : Pentium 233MHz, MMX
メモリ : 144MB
画 面:1024×768dot, 16bit color
4.3.2 使用言語の選定
旧プログラムは、計算本体部分はFORTRAN言語により、画面表示部分はC言語とMotif libraryにより構築されている。本年度はパソコン上での構築作業となるが、FORTRAN言語についてはパソコン上で問題無く使用出来ることが確認出来ているため、計算本体部分はFORTRAN言語により構築した。
画面表示部分については、ウインドウシステムが異なるため、旧システムと同様の構成は不可能である。パソコンは旧プログラムで用いたUNIXよりもGUI(Graphical User Interface)が優れており、GUI開発環境においてもUNIXよりも短期間で開発が可能となる環境が多数準備されている。
以上のことから
計算本体部分 : DIGITAL Visual Fortran 5.0
画面表示部分 : Borland Delphi 3.0
を用いることとした。
4.3.3 基本ソフト(OS)の違いによる機能変更点
今回使用可能なOSはWindows NT、Windows 95であるが、Windows NTは必要以上に機能が高い面がある。一方Windows 95はプログラム実行という本来の目的のみを考えれば十分な機能を持っており、また現時点でWindows NTよりも広く普及していると考えられる。したがって、使用OSはWindows 95とした。