VERSATEC PRODUCTS社のPedco Weir Skimmerは、軽量、単純な構造でオイルフェンスとの併用だけでなく単体でも使用が可能な自動調整・可変堰式油回収装置である。同社カタログによれば、回収能力は、使用するポンプによって変わるとのことであるが、これに併せて堰の大きさを選ぶ必要がある。
Action Petroleum Spill Recovery社のSuper Vossは、自走式ではなく支援船舶を必要とするタイプであるが、その掃海能力は高く、sheen状の軽油から重油まで広い範囲の油種に対応能力がある。また回収時における末雑物は、回収油と速やかに分離される機構になっている。
Vikoma lnternational MINI FASFLO SKIMMERは、大流速の条件下での回収を目的とした傾斜板式油回収器である。自走能力はなく船舶舷側からの展開や狭い水域で両岸から展張したオイルフェンス中央部に取り付けて使用することが多い。回収能力は他の表中の他機種に劣るがその重量から考えれば、むしろ回収効率が高いと見ることもできる。
(3)国内の油回収装置性能基準
?認定試験
油回収装置の性能基準は、昭和53年9月11日付、海洋汚染及び海洋災害の防止に関する法律施行規則の一部を改正する政令において、油回収船と油回収装置等の規定として規定されている。
油回収船にあっては、次の性能及び整備を有するものであること。
イ)油回収能力:波長10m、波高0.3mの海面において、B重油を収取する場合、1時間に収取する油分が3kL以上であること。
ロ)推進装置を有すること。
ハ)油回収能力に応じ、適切な量の油分を貯蔵できること。
二)1時間に油回収能力以上の油分を移送できるポンプを有すること。