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(1) インテグリティー(完全性)情報の放送機能

適用しようとする所定のエリア及び飛行フェーズ(当初は航空路、ターミナル、非精密進入に適用)において、GPS利用に関する完全性情報を提供する機能

(2) レンジング信号の提供

航空機が位置情報を得るためには、4個以上(RAIMを利用する場合は、少なくとも5個以上)のGPSを同時に受信する必要があるが、4個以上受信できないか、若しくは4個以上可視範囲であっても衛星の配置によって利用できない地域、時間帯があることが判明している。このことから、静止衛星を使用しGPSと同等の航法データをユーザー(航空機)に提供し、あたかも1個のGPS衛星が追加されたと同等の効果を持たせることにより、有効性の向上を図る。

 

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3. MSASシステム構成

MSASのシステム構成は、大きく分類すると広域なエリアに情報を伝達するための静止衛星のLバンド・トランスポンダー、監視局、航法統制局、海外標定局及びネットワークから構成される。

現在整備中の初期MSAS(フェーズI MSAS)の構成を以下に示す。

(1) 静止衛星トランスポンダー・・・MTSAT-1

(2) 監視局(GMS:Ground Monitor Station)・・・札幌、東京、福岡、那覇管制部及び神戸、茨城の計6カ所

(3) 航法統制局(MCS:Master Control Station)・・・神戸及び茨城航空衛星地球局

(4) 標定局(MRS:Monitoring and Ranting Station)・・・ハワイ及びオーストラリア標定局

(5) ネットワーク

その後、二期MSASにおいては、MTSAT-2を含む2個以上の静止衛星を利用し、監視局の増設、航法統制局の機能拡張等を図り、システムの性能及び信頼性を向上しつつ、ソールミーンズ航法システムの実現を図る予定である。

 

 

 

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