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データ処理部では飛行経路情報データを抽出し、データ表示部へ送信する。データ表示部での処理を以下に示す。

 

(a)表示処理

データ表示部に入力された飛行経路情報は、新しいフライトプランとして格納されるとともに、地図上に表示される。また飛行経路情報内のウェイポイントの名称および飛行経路情報に関するコメントは、DATA画面(7.3.1項参照)にテキスト表示される。

 

(b)航法計算への利用

地図上に表示された飛行経路情報をパイロットが確認した後、簡単なキー操作により飛行経路情報をアクティブプランに設定し、航法演算処理を行う。飛行経路情報と航法用のアクティブプランとの関係を図7-7に示す。

 

182-1.gif

 

(c)音声警報処理

飛行経路情報を受信した際に、内蔵の音声発生回路を利用して、喚起音としてICSへ出力する。

 

(5)位置通報

ACARS通信部のADS機能を用いる。地上評価装置からの設定に従って自動的に位置通報メッセージの作成、送信が行われる。

 

(6)出発(到着)時刻通報

ACARS通信部のOOOI機能を利用する。ACARS通信部から地上へ離陸(Off)と着陸(On)のメッセージを送信させるためには、データ処理部から離陸および着陸にそれぞれ該当するディスクリート信号を入力する必要がある。信号生成のためのデータソースとしては、データ表示部からの自機位置データ(位置、対地速度、気圧高度から構成される出力)を用い、離陸(0ff)と着陸(On)の判定をそれぞれ以下の処理により行う。

 

(a)離陸(Off)

飛行開始時は、機体は地上に駐機しているので、速度データはどんなにばらついたにせよ5ktを超えることはない。また高度データについても、若干ばらつきはあるものの増加または減少し続けることはない。

これより、データ表示部から入力される自機位置データの速度の値をデータ処理部が監視し、対地速度が5kt以上となりかつ、30秒以内に200ftを超える高度上昇があった地点で、離陸と判定し、該当のディスクリート信号をACARS通信部に出力する。

 

(b)着陸(On)

ヘリコプタの場合ホバリングが考えられるが、着陸の際にはその前に必ず降下飛行があり、その後着陸する。

これより、データ表示部から入力される自機位置データの速度の値をデータ処理部が監視し、30秒以内に200ftを超える高度降下があった後、対地速度が5kt以下となった地点で着陸と判定し、該当のディスクリート信号をACARS通信部に出力する。

 

(7)フリーテキスト

データ処理部で下記の3種類の出力処理を判別する。

・プリンタへの印刷のみ

・データ表示部での表示のみ

・プリンタへの印刷とデータ表示部での表示の両方

プリンタへの印刷はデータ処理部から直接プリンタ用の制御コードを付加して出力する。またフリーテキスト受信時にはデータ表示部に内蔵の音声発生回路を利用し、喚起音としてICSへ出力する。

 

 

 

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