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前述のように、ADSは本来、管制機関による運航監視に利用されるものであるが、本評価システムでは、このADS情報を小型機の運航者側にも提供し運航管理、運航支援の面から積極的に利用しようとするものである。

なお、機上側から通知される位置通報における高度情報が、QNEを基準としたものである場合は、地上側では、位置通報の緯度、経度から該当する領域のQNHを使用して正しい高度への変換処理を行ない、QNH補正後の高度情報を地上側の表示および機上側に提供するトラフィック情報として使用する。

 

(2)トラフィック情報提供処理

トラフィック情報提供処理は、機上側からの位置通報を収集し周辺の各航空機に対してトラフィック情報として提供することにより、航空機同士の異常接近や衝突の回避など安全な飛行を支援するのである。

トラフィック情報の内容には、航空機の機体番号、時刻、緯度、経度、高度等の情報が含まれ、地上側の操作および機上側からのリクエストにより情報提供の開始、終了の制御の指定が可能である。

本システムにおけるトラフィック情報の提供方式には「個別送信方式」と「蓄積送信方式」の2種類があり、リクエストのオプションにより各方式の選択が可能である。

 

(a)個別送信方式

個別送信方式は、ある航空機から位置通報を受信する毎に、その航空機のトラフィック情報を周辺の航空機に対して提供する方式である。

 

 

 

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