飛行経路情報は特定の航空機に送信すべきものでありアドレス指定型でなければならない
4.2.7 GPS補強信号の提供
GNSSを民間航空機で利用するための必要条件として航法データの完全性、精度等が常に地上で監視されていると共に航空機に対し航法衛星システムの状況および航空機の飛行フェーズ毎に定められた最低運用要求基準を満足するための補強システムが必要とされている。GNSS補強システムはサービスの対象エリアにより次のように分類されている。
・衛星型補強システム(SBAS:Satellite-Based Augmentation System)
エンルート、ターミナルからカテゴリ1精密進入までの広範囲なエリア内の航空機を対象とした補強システム
・地上型補強システム(GBAS:Ground-Based Augmentation System)
狭い領域において空港付近航空機の高カテゴリの精密進入を対象とした補強システム
MITRE社の多目的放送型データリンクにおいて提供されているのはDGPS(ディファレンシャルGPS)補正信号のみであるが、機能的には上記のGBASに相当する。GPS補強信号は全ての航空機に同時に送信される必要があるため放送型である必要があるが、わが国ではMSASによってGNSS補強信号の提供を行う広域補強システムの構築が予定されていること、狭域補強システムについても同様に国際的なLAASの流れのもとでの構築が計画されていることから、小型機がGNSS補強信号を利用する場合にもこれらのサービスを享受することになると考えられる。