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にデータを送信する意味がない。小型機の運航時間は短いため最低でも10分に1回程度のデータ更新が必要と考えられる。また機上からのPIREPがデータリンクで行われれば鮮度の高い気象情報が頻繁に提供されることになるので、ARNAV社のGeoNetのように気象情報の通報・提供をシステム化することは非常に有効であると考えられる。

 

4.2.5 トラフィック情報提供

 

トラフィック情報提供とは自機周辺の飛行空域に対して危険となる可能性のある他機の情報を地上レーダー等から地上局が入手し、データリンクを用いて機上に送信するアプリケーションである。他機の情報が機上で入手できれば、機上ディスプレイ上にシンボル表示したり、音声警報を鳴らしたりすることで、危険を回避することが可能となるだけではなく、他機の対地速度、トラック角および自機からの距離、方位から、衝突に至らない様な処置を余裕を持って行うことができる。

トラフィック情報提供を行っているシステムを表4-8に示す。

 

098-1.gif

 

(1)機上データリンク装備との関係

空対空のデータリンク装備が全ての航空機に装備され、かつ運用されれば、地上からのトラフィック情報提供は必要ない。しかしデータリンク装備が普及するまでの過渡期において、あるいは将来においてもデータリンク装備が故障した場合など全ての機体がかならず位置通報を行うとは限らないため、トラフィック量の多いターミナルエリアなどではトラフィック情報提供の有用性が残ると考えられる。

 

 

 

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