を介して伝送され、運航監視・運航管理に利用される。あるいはトラフィック情報として逆に地上局から放送するのに使用される。
?Ground to Ground ADS-B
空港面上を走行している際に空港面上の他の航空機や空港内の地上局に放送し、他機との衝突防止や空港面監視に利用される。
ADS-Bは米国におけるフリーフライト構想のキーテクノロジーと考えられているがレーダー等と違い、ADS-Bが可能な機上装備を搭載している航空機の位置しか入手できない。従って過渡期においては各種レーダーで入手できる情報を地上局から放送するトラフィック情報の放送と併用されると考えられる。
(C)Satellite-based
衛星局からGPSインテグリティ情報等を非常に広範囲に放送することで、GPS等の衛星航法の補強システムであるSBAS(Satellite-based Augmentation System:静止衛星型航法衛星補強システム)が可能になる。現在計画されているSBASを以下に示す。
・WAAS(Wide Area Augmentation System)
・EGNOS(European Geostationary navigation Overlay Services)
・MSAS(MTSAT Satellite-based Augmentation System)
(3)GPSの役割
放送型データリンクはアドレス型のデータリンクに比較すると通信プロトコルが一般に単純である。しかし少ない周波数領域を使用して複数局が情報(バースト)送信を行うためにはバースト送信のタイミング時刻をデータリンクシステム全体で管理する必要がある。このタイミングを管理するためには
・各放送局が精度の高い時刻を入手できること
・各放送局の時刻の同期が高い精度で取れること
が必要となり、特に搭載機器に制限のある航空機局が含まれる場合に問題となる。
第3章で報告したMITREおよびARNAV社はそれぞれ航空機局を含んだ放送型データリンクシステムを実現しているが、両者ともこの時刻の問題を解決するために航法装置であるGPSを利用している。GPSはその測位精度を利用した航法装置としてだけでなく高精度の時刻提供可能である。このGPSの能力を利用して航空機局は容易に時刻同期が可能となる。