のターゲットには、高度差と上昇降下を表わす矢印が付加されている。衝突回避のための方策についての情報は与えられないが、衝突が発生する可能性がある場合、色や音声によって警告が発せられる。TISではTA(Traffic Advisory)は表示するが、RA(Resolution Advisory)は表示しない。TAの音には3種類あり、新しいターゲットが画面に現われると1回のビープ音、2マイル以内に入ると3回の速いビープ音、1マイル以内に入ると継続してビープ音が鳴らされる。TISは廉価版のTCASといえる。
MITによると、TISを用いているパイロットは、そうでないパイロットと比較して周囲のトラフィックの状況を8倍程度速く把握できるとの評価結果が報告されている。
TISのメッセージは56bit上のデータ長で送信される。
なお、Wx RegまたはView Wxボタンを押すことにより、GWSまたはテキストベース気象情報提供を受けることができる。
(4)課題
ヒアリング結果およびデモンストレーションの結果から、TIS/GWSに対して以下のような課題が挙がってくる。
(a) 価格
現在の機上機器の価格は12,000ドル程度であるが、さらに価格が低下しなければ小型機ユーザへの普及は難しいとの認識が一般的である。
(b)機上装置のサイズ
機上装置のサイズについては、以下のような課題がパイロットから挙げられている
・ディスプレイは重量、消費電力、スペース、コストの面から、平面パネル型ディスプレイを採用する必要がある。
(c) 操作性、視認性
機上装置の操作性および視認性について、パイロットから以下のような意見が出されている。
・タッチスクリーンまたは回転ノブによるコントロールを導入すべきである。
・タービュランス状況下での操作性、太陽光反射の問題、モニタの見やすさから、端末をコックピット中央にもってくるべきである。
・TISの警告音は、飛行中にはその他の音声のために聞こえにくい。
・TISの画面スケールも変更できるとよい。
・地形データが画面に表示されたほうがよい。
・カーソル操作のレスポンスの問題。
(d)システム全体
システム全体について、以下のような意見がパイロットから挙げられている。モードSのカバレージ外でのサービスについて考える必要がある(ADS-B等の導入)
・管制通信機能の導入についても考える必要がある。
・気象情報についてはもう少しリアルタイム性が必要である。