来的には4,500〜5,000ドル程度になると考えられている。TISシステムは初期導入の際に約700,000ドル要したが、モードSデータリンクサービス自体FAAが無償で提供するものであるため、それ以外に費用はかからない。GWSシステムは初期導入の際に約2,500,000ドルかかっただけでなく、ウェザーデータを外部会社(マサチューセッツ州ボストン近郊にあるWSI)から購入(240,000ドル/年)していること、そのデータを配信するためのネットワーク運用費用が必要となることから、定常的に別途費用がかかることになる。そのため、TISについては今後も展開していく予定であるが、GWSについては小型機向けのシステムとしては採算があわないと判断され、来年度以降の全国規模の展開を行わないことが決定した。ただしGWSについては、来年度以降VDLモード?を利用したデモンストレーションを実施していく計画がある。
(2)GWSおよびTWS
テキスト気象サービス(Text weather Services)では、SAs(aviation weather sequence reports)およびFTs(terminal forecasts)が提供される。これによりシーリング等の情報および気象予報を入手することが可能である。
GWSは、リアルタイムの気象画像情報(降水量)をデータリンクによってコックピットに提供するサービスである。全米の任意の空港、VOR周辺の気象情報は前述のとおりWSIから有料で提供を受けている。使用可能レンジは25NM,50NM,100NM,200NMの4レンジでその他のグラフィックデータも重畳表示することができる。GWS自体の解像度は256ピクセル×256ピクセルであるが、気象画像データは最小で2km×2kmのものであるので、例えば25NMのレンジを使用した場合、46×46ピクセルの解像度となってしまう。なお、気象データのエラーはコンピュータ、またはオペレーターによって修正されるが、コンピュータによって処理した場合、機上のディスプレイに画像が表示されるまでの時間は最長5分(5分間隔で気象情報が更新されるため)、オペレーターによって修正される場合は15分程度の時間を要することになり、やや古い気象情報を表示してしまうことになる。
図3-10にGWSの表示画面例を示す。