3.2.2 TWIP(FAA本部ヒアリング結果報告)
(1)概要
(a)TWIPの概要
TWIP(Terminal Weather information for Pilots)は航空機に対して、TDWR(Terminal Doppler Weather Radar)またはITWS(Integrated Terminal Weather System)で得られたターミナルエリアのwindshear/microburstの情報をACARSを利用して視覚的に提供するシステムである。windshear/microburstは飛行中の気象状態で最も危険な状態を発生させる可能性のあるものの一つであり、TWIPでは、windshear/microburstの情報に加えて、これを引き起こす原因となるgust fronts,storm cellの位置、動き、降水分布についても提供することが可能となっている。
(b)調査対象
ACARSを利用したターミナル空域の気象情報提供サービスであるTWIPに関する調査は、米国連邦航空局のAND-720(Aeronautical Data Link/Simulation&GA Data Link)に対してヒアリングを行うことにより実施した。ヒアリング対象者は以下の通りである。
(2)TWIPの表示
TWPによって提供される気象データは、機上においてはキャラクタグラフィックによるマップ表示(印字)、もしくはテキストデータの表示によってパイロットに伝達される。TWIPにおいては現状、フルグラフィックの情報の提供は行っていないが、これについてはACARSという通信プロトコルの使用という制約のために実施していないというよりも、むしろ現状すでにACARSの機上装置を搭載している航空機が、さらなる装備を行わなくてもサービスの提供を受けることができるという利点があるからである。実際、ACARS搭載機は全米ですでに4,300機を教えており、それらの航空機運航者は機上装置に対する新たなコストを負担することなくサービスを享受することが可能となるのである
機上での表示(印字)例を図3-3および図3-4に示す。