低雑音増幅器/ダイプレクサ(LNA/DPX)
低利得アンテナ(LGA)
・ADSユニット、STRともRacal Avionics社が提供。ADSユニットは普通ヘリコプタのelectric bayに搭載される。STRをヘリコプタのtail sectionに搭載する場合は特別なshock mountが必要である。
・価格:1機当たり諸経費込みで最低$150,000(約半分がSA-TCOM機器)
・重量:SATCOM2基+ADSユニット1基で重量は約12kg。ケーブルやトレイアンテナ、LNA/DPXをあわせると約20kg。
(8)トライアル結果
1997年9月でM-ADSトライアルは3,000飛行時間を越えたが、結果は良好である。問題点としては次の2点が挙げられる。
・ソフトウェア関係
地上ネットワークの中でヘリコプタからのPosition Reportの伝送経路を指定するソフトウェアに問題が生じている。システムは将来のATNに対応するように設計されていたが、ヘリコプタの位置情報アップデートに遅れが生じている。ATCセンターの管制官によると地上ネットワークからPosition Reportが遅れる場合または届かない場合があると答えている。
・信号の遮蔽
エンルート上で送信される通報は何の問題も無いが、油田施設の離着陸時の通報は離発着デッキに信号が遮蔽され通報が届かない場合がある。
(9)機能追加の計画
・他のデータリンクオプション(Kongsberg検討中)
衛星通信では通信料が非常に高価であるため、VHFデータリンクを検討しているが、実現するには新しい地上インフラ設備が必要になる。
・監視システムの追加
CPDLC機能の追加を計画中である。そのために、既にエアバスで運用されている機上ディスプレイを導入する予定である。
(10)今後の予定
幾つか問題はあるが、M-ADSトライアルはさらに前進していく予定である。現在、AS-332L-2 Super Puma Mk?とEurocopter AS-365N-2 Dauphinへのインストールが予定されている。またノルウェー沖の運航会社としては競争相手であるNorsk Helicopterも来年2月にSikorsky S-76C+にインストールを予定している。
石油会社の要望もあり、NCAAは北海ノルウェー沖の区域で運航する全ヘリコプタに対して1999年までにADS対応を命じるRequirement Documentationを発効している。