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航空交通に関する情報

その他の飛行情報

・空港情報

滑走路閉鎖および滑走路のブレーキングアクションに関する情報

航空保安施設などの障害に関する情報、航空交通に関する情報、気象実況報

 

?情報収集・交換

AEISセンターでは、航空機への情報提供に備え以下の資料や情報を準備する。

・情報

気象機関から入手する最新の気象情報、必要と認められる航空情報、航空交通に関する情報、その他航空機の安全上必要と認められる情報

・資料

関係航空路図、関係地域の地形図、AIP、登録・耐空証明航空機一覧表、その他必要資料

AEISセンターでは、航空保安施設などの運用状態の変化、交通規制など航空交通に関する情報を関係機関から入手したとき、速やかに情報を必要とする他のAEISセンターへ通知する。また、飛行の援助に有用な情報について適宜、関係機関と情報を交換している。

 

(b)現状と課題

小型機運航に対する運航支援を行う上で、AEISセンターの現状と課題を以下に示す。

 

?飛行地点把握の問題

AEISセンターには航空管制レーダーによる情報が提供されず、またVFRにおいては行政指導によって概30分間隔での通報が求められているが位置通報義務がないため、呼び出し当該機の位置を自動的に知ることはできない。また位置通報があった場合でもパイロットは地名を和名(例:○×上空)で通報することが多く、IFRで用いる地点略号とは異なるため、同一地名が複数存在しコンピュータで自動的に解析して位置を割り出すことが難しい。

 

?情報入手の困難性

小型機運航において頻繁に利用する場外離着陸場や峠などの気象情報の入手が非常に困難である。またVFRで飛行する小型機において先行機からのPIREPは非常に重要であるが、PIREPの有効利用を行うシステム構築がなされていないこと、およびAEISのカバレージが十分でないことからPIREPの全体量が非常に少ない。

 

?AEISカバレージの問題

低空を飛行することの多いVF機にとっては現行の運航支援システムの中では交信が不可能な空域がかなり多い。したがって場外離着陸場においてAEISを用いての出発通報や到着通報はカバレージの関係で困難な状況にある。

 

(c) データリンクへの対応

気象情報や航空情報などを音声通信でパイロットに伝達することには限界があるため、データリンクを利用した画像情報の提供が有効だと考えられる。またGPSの普及に伴い、位置通報の自動化が可能になれば、航空機の位置をAEISセンターにて正確に把握できる。また音声通信における周波数調整の問題が解消されるため、地上からの緊急連絡の場合には有効と思われる。

 

(2)運航者による地上支援

大手の運航者は通常、カンパニー無線を利用して音声による地上からの運航支援を行っている。しかしながらカンパニー無線は

・通信カバレージが限定されていること

・多くの運航者が周波数を共有する場合が多いにもかかわらず、わずかな情報量しかもたない情報についても音声で非効率的に伝送するため通信容量の問題が発生すること

・位置通報等の情報についても必ず人を介していること

などから、必要な部分についてデータリンクを採り入れた新たな地上支援システムの導入が望まれる。

 

 

 

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