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3 将来の運用についての総合評価

 

(1) 概要

本研究が開始された平成7年度から現在までの間に、CNS/ATMシステムについては世界各国で導入へ向けての準備が進み、我が国においても平成10年10月からの運用が予定されている。本章では、平成7年度からの3年間にわたる研究結果を踏まえ、実運用に向けての評価をまとめる。

(2) 機上装置の導入について

本研究開始時点においては我が国においてCNS/ATMシステムに対応する機上装置を導入している航空機は存在しなかったが、平成10年1月末現在、10機(ANA6機、JAL4機)のB747-400がCNS/ATMシステムに対応している。この内の8機(ANA4機、JAL4機)は、元来は通常のAOCメッセージのみを使用するACARS機であったものをCNS/ATMシステムに対応したボーイング社のFANS-1キットにより追加対応したものであり、その主な改修内容と方法については、平成8年度「CNS/ATMシステムに対応した機上装置の導入評価研究」報告書の2.1.2において報告されている。

航空機1機をCNS/ATMシステムに対応させるための改修作業に要する期間としては、機器のメーカヘの発注から実際の運航を開始できるまでの期間として半年以上を要し、またそこに当然のことながら費用が発生する。

現在の航空機の大半がCNS/ATMシステムには未対応であることを踏まえると、今後当分の間はCNS/ATMシステム対応機材と未対応の機材が併存する状況は避けられず、運用における対応が必要となると考えられる。

(3) 機上装置の操作性について

本報告書の2.4章(2-125、126ぺ一ジ)にて報告された通り、機上側の操作性については一部に改善の余地が残されているといえる。また、一部の問題は、運用方法の取り決めにより対応するべきであると考えられるものもある。CNS/ATMシステムを実際に適用する場合、乗員にとってその操作性が少しでも改善されていることが望ましいのは言うまでもない。従って今後引き続きメーカなどとの間で仕様についての微調整を適宜行っていく必要があるものと考えられる。

 

 

 

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