(フランス)
資料 4
フランスの地方自治制度の概要
地方制度の構造
?@ 地方公共団体
第5共和制憲法第72条は、共和国の「地方公共団体」として、「市町村(commune)」、「県(depattemenを)」及び「海外領土」を列挙し、その他の地方公共団体は、「法律(loi)」によって創設されうるもとしている。例えば、パリ市は、1964年7月10日法によって、市町村であると同時に県としての性格を有する特別の地方公共団体として創設され、1982年法は、新たに「州(region)」を地方公共団体のひとつとして定めた。
?A 行政区画
国の機関が権限を行便する範囲を示す国土の区分であり、法人格を有しない。地方公共団体である州、県、市町村は同時に行政区画でもあり、そのそれぞれには国の代表者が置かれている。州、県の場合はそれぞれ地方長官(prefet)が置かれ、市町村の場合は自治体の長である市町村長がその区画内の国の代表として職務を行う。その他の行政区画として「郡(arOndおsement)」、「カントン(canton)」がある。ひとつの自治体として「郡議会」が設けられたこともあるが、1940年にその活動は停止されたまま今日に至っている。現在は、国の行政区画である県の下位行政区画として位置づけられ、各部には「郡長(sous―prcfct)」が置かれている。
?B 地方公施設法人
公法上の法人格と財政自主権を認められているが、一般的な管轄権限を有さず、特定の公役務を遂行することを目的とするという点で地方公共団体と異なる。概ね、日本における特別地方公共団体または地方公社に相当する公法人であるといえる。具体的には、1982年以前の州、市町村間広域行政組織、混成事務組合、各県間の県際機構、各州間の共益機構がこれにあたる。
フランスの地方公共団体と行政区画