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公務員もまた、個人的な利害、あるいはそうした利害がある人との密接なかかわりのために、問題を検討することに関与するのを控える必要がある状況に直面することがある。何か疑わしい場合には、関係する上司に助言を求めることが賢明であり、また部局長や最高行政官に文書で自らの利害を示すことが賢明である。

 

苦情申立

 

41. わかりやすく十分に公にされた苦情処理システムを持ち、それを効果的に運用すること。

42. 当該個人を救済するのと同時に、将来、その問題の再発を避けるために、過失が確認された時には是正措置をとること。

 

地方行政オンブズマンは、苦情の取り扱いに関して手引書を発行した。それは、「良き行政実務のための指針1」『苦情処理システム』(1992年2月)に収められている。

 

 

3. 結論

 

本手引書は、良き行政実務慣行に関する網羅的な記述ではない。しかしながら、これは最も重要な原則のいくつかを大まかに示したものであり、オンブズマンによる調査の中で共通して現れてきた重要なポイントをカバーしている。

 

本書では、行政の過誤について包括的な定義も示していない。オンブズマンは、特殊な事実を考慮して自らに寄せられた苦情の一つ一つを考察しなければならず、判断を下さなければならない。また、行政官庁が将来、誤って、不公平に、もしくは不当に行為をしているとわかるかもしれない考えられうるすべてのやり方を具体的に挙げることは不可能であろう。しかしながら、本書では、行政の過誤が起こりやすい最も共通したやり方が示されている。また、その意図は、一部は、行政官庁に行政の過誤を避けるのに役立つことなのである。

 

行政官庁が本書で提示された助言のすべてに従うならば、行政の過誤の発生が著しく減少し、顧客に対する高水準のサービスが促進されることは疑いがない。もちろん、オンブズマンが認めているように、行政の過誤の回避は最低限の目標に過ぎず、良き行政官庁は市民に対するより質の高い水準を目指しているのである。

 

 

 

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