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きに決定されたことに関して異った見解を持っていないこと、あるいはもし異なる見解を有していたとしても、相違が解決されていること、これらの確認があることを保証するであろう。そして、全ての必要な段階が踏まれ、なされていることが的確であることが慎重に確認されるのである。

また、一般に業務の遂行は的確さを求め、きわめて単純な過誤でさえ重大な反響をもたらしうる。例えば、

 

□ある単純なコンピュータの入力ミスのために、住宅給付金の対ヽ切手が、地主に払われるべきという取り決めにもかかわらず賃借人に発せられる場合。これは賃借人の退去後、地主が自分に帰すべきかなりの金額を受け取らないという結果をもたらす。

□公営住宅のストックについて、不正確な詳細(な説明)を環境省の質問に与えた場合。その結果、欠陥が認められ、かなりの修繕補助金が期限内に利用できる特定のタイプの住宅について、省は地方議会に対してその後話を持ちかけないことになる。つまり、その間にいくつかの住宅は売却され、各所有者は約2万ポンドもの補助金の機会を逸したのであった。

 

26. 公務員が特定領域の活動の処理にあたって従うことのできる、十分なシステムと文書化された手続きを有すること。

 

関係する活動領域が何であれ、地方議会は適切なシステムを持つべきであり、明確な手続きが関係する全公務員に利用でき、また周知されているべきだということは大変賢明である。単に口頭指示や、優れた記憶だけを当てにすることは賢明ではない。手続きは文書形式で書き留められるのが最良である。

オンブズマンによる調査で認められた多くの過失一とりわけ怠慢、混乱、遅延といった過失一は、行政システムに不十分な点があるために、あるいはシステムの欠如のために発生する。調査の結果、しばしば地方議会はそのシステムの再審査、あるいは認められた過失の再発防止のためにあるシステムを導入するよう勧告されることになる。

確かにどのシステムが用いられるかは、業務の性質や、地方議会が処理を望む特定の方法に応じて様々であるだろう。しかしながら、有効に網羅されるべき諸点は以下のことを含んでいるのである。

 

□公務員のための文書化された手続きと指針。

□必要な行為を確認する手段。

□行為をするのに誰が責任を持つかについての明確な定義。

□公務員の不在時の取り決めについての決定。

□処理されるべき特定段階および考慮されるべき質問事項についてのチェックリスト。

□優先的処理を必要とする緊急事態を確認する基準。

□他の情報源からどの情報やコメントが必要なのかを確認すること。

□行為の予定(timetable)を設定すること、および特定の過程が達成されるべき、あるいは情報が受け取られるべき目標期日を設定すること。

 

 

 

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