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の支払いを受ける資格の決定)。それ以外の領域においても、適当な予定期限として政府内の回状に示された期限がある。地方議会は常にそのような法定ないし勧告されている期限をまもることを目指すべきだが、多くの場合においてできなかったとしても、それにできるだけ近づけることを目指すべきである。オンブズマンは、地方議会が一般に作業する際の厳しい圧力や資源の制約を認識しているので、地方議会がそのような日程を果たせなかったとしてもそれだけで必ずしも行政の過誤だとみなすわけではない。しかし、法定ないし勧告されている時間をはるかに超えた遅延は通常不合理とみなされるであろう。

 

一定の期限が課されていない場合でも、その状況に適当な期間内に行為はなされるべきである。地方議会はしばしば目標とする期間をみずから設定することがあるが、これは有用な方法である。これによって公衆は予想しうる基準を知りうるし、スタッフにとっても便利な指針となる。また地方議会にとっても、みずからの達成度をチェックしたり必要な場合には是正措置をとったりすることができる。

 

18. もし委任された権限のもとで決定がなされているのならば、それがなされるのに適切かつ十分な職権があり、委任された権限の行使が状況において適当なものであることを保証すること。

 

委任された権限の行使は、効率的な運営と業務の迅速な履行にとって重要な助けとなる。しかし、そのような権限のもとで活動する個々の公務員に適切な職権があることが重要である。委任された権限のもとで行使されるいかなる職権も文書で記録されるべきであり、職権の内容は明確に特定され、委任された権限が誤って解釈されたり、誤って適用されたりしてはならない。オンブズマンによる調査において明らかになった不正行為の事例は、

 

□地方議会によって承認された取り決めの下で、委任された権限によって決定しうる計画申請に4つの明確なカテゴリーがあった。しかしながら、計画担当公務員は4つのカテゴリーのいずれにも当てはまらない申請を決定してしまった。

□地方議会の委任の取り決めでは、地方議会の政策指針に従った計画申請については計画担当公務員が決定できるが、そうでない申請については関係する委員会に照会すべきとしていた。しかし、この計画担当公務員は指針に従っていない申請を承認した。

 

委任された権限が存在し、使用しうる場合でも、時にはそうすることが適切ではない状況があるかもしれない。委任された権限の行使は裁量であって義務ではない。行使する権限をもつ公務員は、特定の問題については委員会に検討を委ねたほうがよい可能性があることに注意する必要がある。

 

決定を行う前の行為

 

19. すべての関係する具体的な事実を立証するために、十分な調査を実施すること。

 

 

 

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