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早まってなされた行為の事例としては、

□計画部局としての立場にある地方議会が必要と思われる計画に同意を与える以前に、地方議会が進めてきた開発について作業をはじめたこと。

□地方議会が条例をつくる以前、あるいは提案された条例に対する反対がまだ依然として検討されている段階での交通規制条例の実施。

□賃借人と十分な協議をする以前に、警報システムの取り付けを契約すること。

 

16. 不利な決定をした理由を示し、関係する顧客のためにそれらを文書で記録すること。

 

これは欧州評議会閣僚委員会によって強調された重要な原則のひとつである。この原則は、イギリスにおいては、大臣の権力に関するドノモア委員会Donoughmore Committeeが「決定によって影響を受けるどの当事者もその決定が基づいている理由を知らされるべきである」と述べた1932年のずっと以前に、すでに認められていた。理由を示すことは決定によって影響を受ける人々にとって公平かつ有用である。公衆の信用を高め、決定の質と一貫性も向上すると思われる。

 

提示される理由は、注意深く定式化され、明確に表現されるとともに、本当の理由であり、また特定の状況において十分である必要がある。理由を提示することは「良い行政の基本公理」の一つであると、住宅供給割り当て調査においてオンブズマンによって評されている。委員会によるもう一つの基本公理は、理由を文書で記録し、応募者に示すことである。理由が示されない場合には、

 

□応募者がなぜ選ばれなかったのか知らされないこととなる。

□決定が恣意的になされたとの印象を与えることとなる。

□公務員が応募者に助言することが難しくなる。

□抽選からもれた応募者が、将来の住宅の準備について十分な情報に基づく判断をすることができなくなる。

□上訴手続きに重大な疑問を呈することとなる。というのも、どのような理由によって訴えるかがわからなければ、応募者は上訴の準備を適切にすることができなくなるからである。

 

17. あらゆる必要な決定や行為が、状況に応じて、適当な時間内になされていることを保証すること。

 

行うべきことをしていないことは、明らかに良い実務の侵害である。行為中の遅延もまた避けられねばならない。実際に、遅延は行政の過誤が見つかる最も共通した原因である。

 

いくつかの活動領域においては、特に法定の期限が設定されている(例えば、住宅給付

 

 

 

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