らす決定に対する絶対的な基準にはなりえないのである。ここで出された特殊な議論は、例外が正当化されるのか否かを理解するために考慮されなければならない。
実例が有用かもしれない。例えば、8歳以上の児童が学校から2マイル半以遠に住んでいる場合、当該児童全員に学校までの無料送迎の権利がある、という政策が地方議会にあるかもしれない。学校から2マイルと4分の3マイル離れて住んでいる子供に無料送迎の要請がある場合、政策に従えば明らかに資格があり、要請は満たされるはずである。他方、地方議会が、学校から2マイルと4分の1マイル離れたところに住んでいる子供について無料送迎の要請を受けた場合、機械的に扱えば資格はないことになる。しかしながら、そうした要請がある場合、無料送迎をするのは地方議会の裁量の自由にある。もし、距離が2マイル半以下の場合には、どんな状況であっても8歳以上の子供には決して無料送迎をしない、と地方議会があらかじめ決定したことを根拠に運用し、親によって出された事案が例外に当たるか否かを考慮しないとするならば、地方議会は自らの裁量の自由を拘束し
ていることになろう。
裁量の自由の拘束に関するもう一つの事例は、オンブズマンの調査によって明るみに出たのであるが、たとえどんなに小額の家賃滞納であれ、それがどのように生じたものであれ、もしくは例外的な状況が明らかな場合であれ、何らかの家賃滞納があれば、公営住宅の借家権移転に対する応募は考慮されないという絶対的な規則を地方議会が運用した場合であった。
9. 適切で、かつ妥当な理由がある場合を除いて、地方議会の既存の政策、あるいは他の関連計画や指針と矛盾する決定がなされないように保証すること。
すでに強調してきたように、地方議会は自らの裁量の自由を拘束してはならない。同時に、通常の政策の範囲を超える決定は、それを支持するのに適切な理由がある場合にのみ、行われることを地方議会は保証する必要がある。
例えば、計画の申請を取り扱う際に、申請にとって重要であるという限りにおいて、地方議会は、法によって開発計画の規定を検討することが求められ、また他のあらゆる重要な条件も検討することが求められる。さらに、地方議会は、重要な条件が示されていない場合を除いて、計画どおりの申請を決定しなければならない。計画は、通常、決定に際して相当に重要とされるべきであり、計画の根拠に対する強力な反対は、計画と相容れない提案を正当であると立証されなければならないであろう。開発計画を変更する理由は、適切でなければならず―すなわち、それらは開発の根拠でなければならない―、また十分に重要なものでなければならない。行政の過誤は、オンブズマンの調査では、これらの要件が十分に満たされているとはまずもって考えられない場合に見られた。例えば、このことは地方議会が次のような事実によって左右された場合に起こっている。つまり、申請者がその土地の人であったために、計画を変更するための適切な計画根拠を欠いたままで、大規模な宅地開発の許可が認められたという事実である。