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にすること。

 

ある特定の活動に責任を有するスタッフが関連法令を正確に理解していることが不可欠であるのと同様に、自らの活動領域に相当する地方議会の政策を理解し、いかなる政策の変更にも十分に精通していなければならない。そうしなければ、おそらく間違いを犯すことになるであろうし、問い合せの人に誤った助言や情報を与えることになろう。スタッフはまた、関係する業務領域について道理にかなった理解をする必要がある。

 

この点は、また本文書の他の点もそうだが、十分に教育され、養成された良いスタッフの必要性を強調している。地方行政オンブズマンは、この手引書が、他の関連教材とともに、(公務員の)養成に関して有益であることを希望している。

 

決定

 

7. 地方議会がその政策、あるいは既定の業務によって求められているものを確実に行うようにすること。

8. 政策によって通常に付与されることになるもの以上に顧客個人にとって有利な決定を正当であるとするような例外的な理由が存在するか否かを裁定するために地方議会の政策のみならず、個々の事案のあらゆる特別な状況を考慮すること。

 

地方議会が自らの政策、あるいは既定の業務によって求められていることをやらないがために、しばしば行政の過誤が見られる。計画を実行すべきであるという地方議会の決定にもかかわらず、計画の妥当性について近隣住民に知らせないことがその例である。また、公営住宅の供給政策は加点法に基づいているのに、別の基準で処理している地区選出議員(ward members for the area)によって決定されるために、もっとも多くの点数を有する応募者に地方議会が住宅を供給しないという場合が、もう一つの例である。

 

同時に、地方議会の政策は、ある事案のいかなる例外的状況について事前に検討することを妨げるような、厳密に適用される規制として利用されてはならない。地方議会に便宜をはかるための裁量の自由がある場合でも、裁量権が決して行使されない状況をあらかじめ規定しているような政策を処理するには不適切である。このやり方で処理しようとしている地方議会は、自らの裁量の自由を拘束しているかもしれない。

 

公理7と8は相互に矛盾しているように思われる―すなわち、一方で政策は常に実行されなければならず、他方で例外が作られる―と時折指摘されてきた。実際には、2つの公理は相容れないわけではないのである。それらに関してさらに注釈を加えることが有用かもしれない。公理7で強調されていることは、政策がこれから行われることについての積極的な声明である場合、市民には約束が実行されることを期待する権利がある、ということである。しかしながら、政策が消極的な記述―何をしないことになるかを述べている―である場合、そのような政策は、一般的な指針を示してはいるものの、市民に利益をもた

 

 

 

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