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存在としてのスタッフはまた、地方議会の顧客(自治体住民)に助言を与え、手助けするために地方議会自体の法的義務とは別に法に関する知識が必要である。

 

法的要件に従うことは、根本的に必要なことである。しかしながら、地方議会が行うことは、必ずしもそれに拘束されるべきではない。顧客に有益となるために他のどのような手段が取られるのがもっとも望ましいのかを検討することが良い行政実務なのである。例えば、小規模開発の計画申請に関する公表についての最低限の法的要件は、予定地の掲示を公示することによって容易に満たされよう。とはいえ、より効果的で、包括的、かつ有益な補償範囲を守るために他の手段―例えば、近隣への通知、印刷物、他の宣伝方法―を検討することが良い行政実務であろう。

 

政策

 

3. 個々の活動領域にとっての全般的なアプローチと意思決定の際に用いられる基準を明らかにしている政策を定式化すること。

4. 決定がその場限りで一貫性のない、あるいは主観的な根拠に基づいてなされないように、基準は明確、かつ適切であり、また客観的に適用されうることを保障すること。

 

地方議会の多くの活動領域に、政策は定式化されなければならないという法的要件が存在する。例えば、住宅供給部局(housing authorities)には、住宅供給割り当て応募者間の優先順位を決めるための規則と引越しを希望している賃借人のための規則がなければならない―また、公的な検査に利用され、要するに公表されなければならない―。教育部局は、ある特定の学校に入学可能な定員にあまりにも多くの応募がある場合に、入学者の割り当てを決定するための政策や基準を公表するように義務づけられている。

 

たとえ法的な要件でない場合であっても、それにもかかわらず、意思決定のための全般的な政策や基準を定式化することが良い行政実務である。これは、適切な委員会や責任ある公務員によって関連する要因を体系的に考慮すること、および公衆(public)あるいは関係する個人が決定の方法を理解でき、またその過程が公平かつ一貫したものであるとわかることを保証するのに有益なはずである。オンブズマンは、この原則に従わない地方議会を批評してきた。例えば、住宅供給に関するある事例では、小委員会には、公務員によって提出されるリストから賃借人を選ぶための基準がなかった。すなわち、ある委員は自分自身の不文律を導入し、別の委員は他の理由で住宅供給を決定していたのである。

 

政策の定式化は、包括的である必要がある。地方議会は、しばしばオンブズマンによって批判されてきた。というのも、政策についての声明書は、彼らが従っていた本質的なポイントすべてを網羅していなかったからである。政策は、しばしば発展、あるいは修正される必要がある。政策が的確で、適切で、時宜に適しており、完璧であるかをチェックするために定期的に政策を再審査することが賢明である。

 

 

 

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