この内容はとくに地方議会のために書かれている。しかしながら、地方行政オンブズマンは、これが他の組織にも役立つものと期待している。内容は時期が来れば改訂されることになるので、ご意見をいただきたい。
2. 良い行政実務慣行の公理
本章は、若干の説明の注釈と例証とともに、良い行政実務慣行に関する42の原則(principles)、あるいは公理(axioms)を提示している。これらの公理は、欧州理事会閣僚委員会の勧告(1980年3月11日の勧告No R(80)2の補遺)および地方行政オンブズマンによる調査の実務的な経験が考慮に入れられている。
地方議会とそのスタッフは、こうした原則を考慮することは有益であるとわかるであろう。それらは以下の8つの表題に分けられる。つまり、法、政策、決定、決定を行う前の行為、行政過程、顧客との関係、不偏性と公平性、および苦情申立の8つである。
法
1. 法が地方議会に何を求めているのか理解し、それらの要件を実行すること。
2. ある特定の活動領域において働いているスタッフ全員がその活動領域に適切な法的要件を理解し、実行することを保証すること。
この2つのポイントは、法が何を求めているか、あるいは何を許容しているのかという文脈で、まさに政策や行動の基礎となる強力な地方行政の伝統という背景に対して、とくに明白であるように思われよう。しかしながら、調査によって、例えば、次のような状況が明らかにされた。すなわち、
□法が求めているものに関する知識の誤解、あるいは欠如している場合。
□関連する法的要件の理解が地方議会の特定の活動領域に責任をもつスタッフに浸透していない場合。
□何が求められているのかということについての理解を欠いているわけではないが、特定の事案において法的義務が遵守されていない場合。
実際に、法的要件を遵守しないことが、行政の過誤という調査結果の最も共通した理由の一つなのである。
地方議会は、スタッフ全員が自分たちの業務に関係する法的要件について十分に知らされることを保証する必要がある。法が地方議会に義務以上に何かを行う権限を与えている場合、しばしばそれは諸条件に左右されているか、あるいは特殊な状況においてのみ利用可能なのかもしれない。また、スタッフがこのような規定に気づく必要がある。不可欠な