越した水準の達成を追求することは、地方行政においては新しい概念ではない。地方行政監察委員会は、地方議会や個々の公務員が何年間も有意義な質を達成できなかったとは思っていない。しかし、高い成果に大きな満足を求めるニーズがあるかもしれない。時には過誤が見られ、サービスの質の向上を強調することが時機を得たものであることは、まさに地方行政オンブズマンによる調査によって示されている。
オンブズマンの調査で過誤が確認される場合には、しばしば結果として、地方議会がより良いサービスを提供するために考慮しうる手段に関して、オンブズマンによる助言が当該地方議会に対してなされるということになる。しかしながら、同じような過ちを避けるために、個別の調査から学んだ教訓がより広範に知られるようになるということは有益かもしれない。
行政の過誤に関する申し立てを調査する際のオンブズマンの経験は、良い行政実務と悪い行政実務についての知識の根幹をなしてきた。したがって、本手引書(guidance note)は、オンブズマンの調査や監察から得られるいくつかの重要な結論を示している。地方行政オンブズマンは、地方自治体協会(local authority associations)との協議の後に、本手引書を、あらゆるレヴェルの公務員にもまた議員(member)にも有用となるよう希望しつつ、地方議会に提示している。とくに、本手引書の目的は次のとおりである。すなわち、
(a) すべてのサービスと職務のために良い行政実務慣行を促進し、また自分たちの顧客のために高水準の成果を上げるために地方議会を援助すること。
(b) 欧州評議会閣僚委員会(the Committee of Ministers of Council of Europe)の適切な勧告を支持し、また公表すること。
(c) 行政の取り決め(administrative arrangement)、またはそれらのいずれか一部の再審査、および監査のために地方議会にとって有益となるポイントを書いたチェックリストを提供すること。
(d) スタッフの簡潔な報告や養成を手助けするための資料やアイデアを提供すること。
(e) メンバーが間違いなく自らの責任を果たす方法について彼らの報告に貢献すること。
(f) 行政実務慣行に関して有益なポイントを示している地方行政オンブズマンの調査結果(finding)に関する情報を広めること。
(g) 良い行政実務慣行のために地方行政オンブズマンが何を期待しているか、そして逆にオンブズマンはなぜ非難するのかを地方議会が理解するなかで全般的に地方議会の手助けすること。
(h) 行政の過誤の防止に貢献し、オンブズマンへの苦情の量を確実に減らすこと。
本手引書で使われた事例は、多くが住宅・都市計画に関するものであるが、広範な行政サービスからのものであり、地方行政オンブズマンの業務のほとんどを説明している。本手引書は特殊な行政サービスに関するものではない。良い行政実務慣行全般に関するものであり、あらゆる行政サービスに妥当する。