れているから、もしこの職に公務員を任命するならば、それは統制の内部化をさらに押し進めることになる。しかし、上の任命方式はこの煩向をいくらか阻止することになる。したがって、メディアトュールは行政部内にありながら、相対的に独立して行政を統制する機関として位置づけられる。
県代表の変遷と役割
78年以来の県連絡員(correspondant departemental)を任命し、県レベルでのメディアトュールとの連絡および国会議員との連絡・調整に当たらせてきた。
1986年2月18日のデクレにより「県代表(delegue departemental)」が各県に1名ずつ任命され(退職公務員もしくは現職公務員の兼任で123名)、この「県代表」が現在においては国会議員を補佐して事実上のフィルター的役割を果たしている。
?@ 県代表は、事案のうち明らかに権限外であったり、申立に相応しくないものを却下し、それ以外につき申立書の補正など必要な指導をして、これを議員に提出させている。
?A 県代表・国会議員が地方レベルでのメディアトュールの代行的役割を果たしている。
県代表の処理手続と特徴
メディアトュールの県(地域)代表の機能は、1986年2月18日の第86-237号デクレにより規定された。この地域代表は、1978〜1980年に創設された地域連絡員(districtcorrespondents)を引き継いだもので、連絡員の任務は人々に情報連絡や援助を行い、メディアトュールに苦情を処理するのに必要な情報を提供することであった。
1986年2月18日のデクレの第3条は、「メディアトュールの県(地域)代表はメディアトュールによってかれらに信託されている苦情を検査することができる」と規定しているが、経済及び社会的な状況や県代表の努力の結果、彼らの活動はこの規定を超えて次第に拡大しているし、彼ら自身の言葉によれば、彼らの機能は「次第に拡大していく領域をカバーしつつ、より多面的に」なってきている。
1993年には、33,425件を超える苦情が県代表によって受け取られ、処理した14,705件に情報提供やアドバイスの要求があった。
1996年には、県代表は彼らの処理した18,787件以上に、19,769件もの情報提供が求められている。
彼らの基本的な任務は、依然として当該条文によって規定されているが、かれらは広い意味で「ソーシャル・ワーカー」となってきており、「親友(confidant)」「アドバイザー」「ガイド」といった住民と接する役割が次第に増大しているのが、中央のメディアトュールとは違うところである。そのため、今日の県代表はメディアトュール活動の中で重要な部分を構成しているのである。