メディアトュールは既判力を有する判決が関係機関によって履行されない場合、当該機関に対してメディアトュールの定める期間中に判決が履行されるように命令することができる。しかし、この命令には強制力はなくその法的効果は勧告のそれと同じである。
公表・報告
?@ 不十分な回答の公表
メディアトュールは調査対象となっている事案につき、当該機関から満足すべき回答が得られない場合には、メディアトュールの当該機関に対する勧告の内容を公表することができる。これに対して、当該機関もメディアトュールヘの回答内容および場合によっては決定内容を公表することができる。
?A 裁判判決不履行の公表
メディアトュールは、裁判判決が履行されていない場合には、その履行を関係機関に命令することができるが、この命令が履行されないときはこれは特別報告書の対象となる。
?B 年次報告書の提出・公表
メディアトュールは大統領および議会へ年次報告書を提出しなければならず、この年次報告書は公表される。
メディアトュールの予算とスタッフ
メディアトュールに関する予算は、首相の予算に組まれている。しかし、それは大蔵省財務監査官による監査を受けない。ただし、それは会計検査院の検査には服せしめられる。
メディアトュールはスタッフを任命することができる、そしてかれが公務員であるときは、「出向」の地位におかれる。協力者には守秘義務が課せられる。
メディアトュールの任命傾向
メディアトュール職にはこれまで元国会議員が任命されている。初代のメディアトュールには、大蔵大臣、首相を務めた元国民議会議員Antoine pinayを、2代目のそれには元国民議会議員Aime paquetをそれぞれ任命し、現在のJacques Pelletierも元国会議員である。その理由として、メディアトュールは公務員の活動を調査するから、メディアトュールの職には公務員以外の者が適していること、メディアトュールは法学の学位を取得している公務員をその補助者としているから、メディアトュールの職に法律の素養のある者を任命する必要がないこと、国民のメディアトュールヘの接近は国会議員を通して行われるから、国会議員であった者を任命することが適切であること、等があげられる。
公務員以外の者をメディアトュールの職に任命するこの方式は、その制度を行政府から独立させることに資するともいえる。メディアトゥールは行政府の1機関として位置づけら