また、これら行政相談懇談会等の実施やその結果について、行政相談委員から寄せられた意見等の幾つかを整理すると次の通りである。行政相談懇談会の運営に当たって検討すべき課題等についても提起されている。
○懇談会により行政相談(委員)制度に対する理解が深まり、今まで行政機関には相談しづらかったが、行政相談委員に相談すると良いということが分かったとして、相談が寄せられるようになった。また、(懇談を行った)婦人部会を通じて町内会とのコミュニケーションが円滑となり、一般住民も出席している町内会の会合に出かけて行政相談制度のPRを行い、また、平成9年度は役員だけでなく婦人部員(33人参加)を対象とした行政相談懇談会も開催することができた。
(北海道千歳市 山内幸子委員)
○町の行政区長会の場を利用した行政相談会は、住民苦情等を最も身近に把握している集落等の代表者である行政区長に行政相談制度を知ってもらうことであり、波及効果が大きく、多大の効果が得られたと考えている。
(宮城県三本木町 三浦みどり委員)
○市には市長と住民が直接話し合う「市政懇談会」があり、行政相談懇談会との重複感があるので、今後の開催には各種団体への根回し、事務所職員の出席、参考資料や広報資料の配付等「総務庁の行政相談」を全面に出すような工夫が必要である。
各種団体の出席が一巡した後は、各種相談委員にも働きかけ、また役員以外の一般在宅者が参加しやすいように座談会等小規模懇談会の検討も必要である。
(神奈川県南足柄市 磯崎 緑委員)
○行政相談懇談会や定例相談等を継続的に開催していることによって行政相談制度が徐々に理解され浸透している。「今まで諦めていたことも思い切って口に出してみたことによって、その結果が得られた。」として評価も得ている。今後とも引き続き継続的な努力が必要である。
(愛知県藤岡町 山内隆雄委員)
○懇談会を毎年実施していくためには、出席者の選定が偏らないよう留意している。
参加団体等の選定に当たって市当局の全面的な協力を得ていることが、懇談会の成功の一つの大きなカギとなっている。
(香川県高松市 小夫格之助委員)
○行政相談会については、住民の皆さんには意外なほど多種多様な意見があることが分かり、潜在する問題を汲み上げ、行政相談制度について理解を深める有効な手段であることを実感した。今後の課題として、旧町村単位での地域の各種団体代表との懇談会を、地区公民館長の協力を得、監察事務所や町との共催で実施したいと考えている。
(徳島県鴨島町 福本庫幸委員)
○各種会合を活用して行政相談懇談会を開催することにより、いろいろな人に行政相談や委員制度を知ってもらうことができ、また、これらの結果が相談の受付件数の増加にも寄与してきている。
(広島県東広島市 大野木正二郎委員)
上記の意見にもみられるように、行政相談懇談会は、行政に対する意見・要望等の吸収と言うことのみならず、行政相談制度や行政相談委員制度についての理解と協力を得る上