保守基地として活用する。他の2つの軌道建設基地は建設期間のみ活用し、工事終了後撤去する。これらの軌道建設基地は、バラスト、レール、枕木の貯留を必要とするので、ガイドウエイの近辺に適切なスペースを必要とする。又これらの軌道材料を高架の上に運搬するためのアクセス道路(斜路)を建設する必要がある。
10.4電気機器
(1)準備段階では、土木、建築、車両等の基本が決まってからこれら調整のため約6ヶ月が必要である。従って最終設計は約3ヶ月遅れてスタートすることになる。
(2)設計は土木建築の最終図面完了を受けて、6ヶ月後に電気関係の設計終了になる。
(3)電気機器は日本から輸入を前提に1年が必要である。
(4)工事期間としては機器製作1年を含めて現地据え付け、配線までに2年を見込む必要がある。また土木構造物等の競合部分は、インフラ完成後6ヶ月が必要と考える。
10.5 車両
車両設計完了後46両の搬入までに2年必要とおもわれる。
10.6 コメント
(1)10.2〜10.5節で述べた議論を要約すると、図10.1-1の建設スケジュールは非常にタイトであると思われる。
建設スケジュールを出来るだけ短くするためには、財源確保の準備期間を出来るだけ短縮する事が望ましい。また必要に応じ労働者の数、現場杭打機の数を増加する事が望ましい。
(2)コントラクター/サプライヤーの選定
図3.3-1においては、コントラクター/サプライヤーの選定の方法、即ち入札方式によるか、随意によるかが明らかにされていない。もしこれらの選定が、入札方式による場合、入札期間そのものが6ヶ月程度必要となろう。
UBTSLはこの点を十分考慮する必要があろう。
(3)十分な労働者数の確保
SCTH Flyover CWでは、1シフト当たり25人の労働者即ち1日当たり750人(250人/1シフト×3シフト)の労働者が働いている。
本件プロジェクトがSCTH Flyover CWと同様の工法を用いる場合、11作業基地×750人/日の労働者が必要になる。(1部の労働者に2〜3の種類の仕事に兼務させる事は可能であろうが)。
即ち常時約8000人の労働者を確保せねばならぬ。この8000人の打うち主要部分を占める熟練労働者の確保は特に重要である。
(4)設計協議
工事中の迂回路の確保、公共施設の一時的移設、街路樹の植え替え等の協議を工事開始前に精力的に実施することが必要である。