ている場合では集亀靴が第三軌条の側面から乗り上げる形となるため,集電靴を滑らかに押し上げ,或いは降下させる装置として設備する。
(e)防護設備:第三軌条には感電及び異物接触による地絡等を防止するための防護装置としてプラスチック製の防護板を取り付ける。
(3)敷設方法
第三軌条の敷設は主に以下による
(a)第三軌条は停車場においてはプラットフォームの反対側に敷設すること。
(b)第三軌条の支持点の間隔は3m以下とする。
7.4.5 その他
(1)ELRTSの車両には、回生ブレーキ方式が採用されている。この回生電力は、近くを走る力行車のために消費されるのであれば問題はないが、適当な力行車が存在しなければ架線電圧が上昇して回生ブレーキは失敗する。このような現象は、運転頻度が少ない程発生し易い。
一方、回生電力を変電所から電源に返すには、高価な逆変換設備が必要となるが、その割には電力量の節減効果は小さいのが実態である。したがって、投資を節減するために、変電所には回生電力吸収用の抵抗器を設置することが望ましい。
(2)き電回路の保護は、鉄道にとって非常に重要な事柄であり、難しい問題でもある。その理由は、
?@第三軌条が走行レールの近くにあり、しかも延長も長いので、事故になる機会が大きいこと
?A電圧が低い割にはき電電流が多く、負荷電流と事故電流を判別することは難しい。さらに、き電は隣接する変電所から並列き電しているので、事故電流の検出は一層困難になること
?B負荷である列車は、常に走行しながら負荷電流のオン・オフを頻繁に行ない、さらに、複数列車の負荷が競合しているので、き電電流の変化は激しく、保護を難しくしている。
?CELRTSの変電所では、き電のみならず回生電力を吸収するためにき電電流の流れる方向が変わる。そのため、き電回路の保護は双方向の電流に対応しなければならない等にある。
日本においては、過去の苦い経験から、き電回路の保護には△?T型故障選択装置を主保護用に、過電流検出を後備保護に採用している。また、隣接する変電所間の並列き電区間内での事故を確実に検出するために、連絡遮断装置を設備している。連絡遮断装置は、ELRTの変電所にも設置することが望ましい。
(3)変電所やき電室は、指令所から集中監視制御する。指令所では、列車の運行管理システムと併置して、受電状況、電力変換、き電状況、電力需給状況、事故時の対応、列車の運転状況、駅における旅客の動向等を常に総合的に管理することが望ましい。