7.4運転用電力
7.4.1 計画の考え方
(1)変電所
(a)電源
ELRTSは、電気を動力としているため、必要な電力を調達しなければならない。運転用電力を得るには、自家発電によるか、あるいは外部の電源から供給を受けることになる。
前者の場合は、規模が小さいのでネットワークを構成することが難しく、高い信頼度は得にくい。しかも、容量の割には大きい投資を必要とする。後者の場合は、既設電力網の強化及び拡充が必要になるが、経済性、信頼性の面からみれば有利である。さらに、ELRTSのために電源網を強化することは、地域社会にも貢献する。従って、自家発電方式よりも既設電源の強化方式を推奨する。
電源網の強化及びELRTS変電所までの送電線は、電源の強化と関連するので、本計画からは除外した。
(b)ELRTS変電所計画
ELRTSの変電所は、車両の動力に適した低圧の直流電力に変換することが第一の使命である。変電所が負担する電力負荷特性は、一般産業や事務所に供給する電力負荷の特性とは異なる。すなわち、電力を消費する電車は、常に動いており、ノッチのオン・オフに伴なう負荷変動が大きく、使用する電力量も多い。さらに、車両基地内の各種作業のために夜中といえども停電できないと言う特徴がある。したがって、ELRTSでは、信頼度の高い、強力な電源網から受電する必要がある。
変電所の位置は、電源網から受電し易い位置であると共に、駅、列車、車両基地などへ電力を供給する上で適切な位置でなければならない。バンガロール市の電力網は整備されつつあるので、ELRTSの沿線では、比較的容易に受電できると思われる。
受電電圧は電源の電圧に左右されるが、33kV、66kVクラスを推奨する。11kV回線からの受電は、電源として弱い。66kVを超える電圧は、工事費が高騰するので好ましくない。
計画当初に決めた変電所の配置を営業開始後変更することは非常に難しいので、将来の電力負荷を考慮した検討が必要である。本計画では、最終段階では4両編成の列車が2分間隔で運転されることを前提とした。また、Green Line 及びRed Lineの路線延長、さらにBlue Line及びYellow Lineの新線建設等の点についても考慮した。
(2)第三軌条
(a)概要