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市の美観に大きな影響を与えることから考えると、この美観への配慮は非常に重要である。

(2)身体障害者への配慮が駅と車両の設計に要求されている。この点は日本でも最近のことであり、この要求事項は本プロジェクトが近代的なものであることを印象づける。

(3)安全の観点から駅の設計にNFPA130の適用が要求されている。この要求はともすると、費用の高いものにつくので、十分注意を要する。東京、香港、シンガポールのMRTは必ずしもNFPA130を適用していない。この点十分注意を払う必要があろう。

(4)プロジェクトの設計のための標準として主としてU.S.A.、インド、ISO、UICが列記されている。同等の標準類もUBTSLに承認されれば適用できるとされているが、国際的に認められているJIS、DIN、BS等も列記してもよいのではないか。

(5)プロジェクトの設計において環境問題が十分考慮されている。日本政府はプロジェクトが環境保全に有効と判断すれば非常に有利な条件で円借款を実施する方針を立てた。この点を十分考慮すべきである。

(6)PR for BERTSの第5.8項は次のように述べている。

5.8 WIND

The system structural integrity,with trains of any length up to and including the ultilmate-length train stopped on any guideway section,will withstand wind speeds up to 174 kph with gusts as derlned by the NBCI for Bangalore,with no damage to the train,guideway,or appurtenant equipment and will comply with the National Building Code.The system will not be operated when sustained winds exceed 90 kph.

上記で174kph即ち48m/secはバンガロールでは過大ではないか。バンガロールには台風もサイクロンもハリケーンもない。表2.1-3によれば、過去24年間で62km/h以上の風はない。

台風が毎年来る日本でも新幹線の列車運行を42m/secで計画しており、風速が30m/secになった場合、列車を停めている。

プロジェクトコストを減ずるために、この風速値を再検討すべきであろう。風速計を各駅に配置し、風速計をCTCに接続し、PR for BERTSでも述べたように風速が90kphになったら列車を停止するようにするとよい。

(7)PR for BERTS 5.9項に次のように述べられている。

5.9 PRECIPITATION

The system will be capable of normal operation during rain falling at maximum rate of 124 mm/hour.Operating trains will have adequate traction to sustain normal operations,including acceleration,service and emergency braking,and precision station stopping in these precipitation conditions.The guideway and emergency walkway design will minimize the accumulation of water.

 

上記で124mm/hrは正常運転を確保するための目標値としては過大ではないか。表2.1-2に示されるように、過去100年における24時間当たり最大雨量は162mmである。プロジェクトコストを減らす為にこの目標値は減ずるべきであろう。バンガロールよりはるかに雨量の多い日本でも40mm/hで列車運転規制を行っている。雨量計を各駅に設置し、CTCに接続し、設定した目標雨量(時雨量、日雨量、総雨量etc.)に達したら運転規制を行うべきであろう。

 

 

 

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