2.2.4 産業
バンガロール市は、最初は地域的な商業都市として成立したが、18世紀には絹、面織物の重要な生産、交易拠点に発展した。しかし18世紀末の英国の侵略後は、織物生産は衰退しむしろ商業の中心地としての性格が強まった。この結果、19世紀中は、唯一の紡績工場を除いて大きな工業の立地がほとんど見られなかった。バンガロールの現在の近代工業の発展と経済成長の基礎を形作ったのは、バンガロール〜マドラス間の鉄道敷設および水力発電所建設の2つの大きな開発である。
バンガロールの工業は、1930年頃から急速に発展し始めた。1930年代には、化学、薬品、電気、窯業等の多数の工場が立地し始め、1940年代に入ると航空、鉄道車両、電気などの大規模工場が設立され大きな雇用が発生した。さらにインド独立後は、Indian Telephone Industries、Hindustan Machine Tools、Bharat Electric Limitedなどの大規模な公営企業の立地が、バンガロールの工業集積の様相を大きく変化させ、急速な都市化を押し進める結果となった。1960年代、70年代は州政府の積極的は工業誘致と産業振興策によりさらに多数の公営、民間企業が立地した。近年は、世界各国のコンピュータ・ソフトウェア立地集積が見られる。