2 セキュリティ技術に係る資料
(1)暗号
代表的な暗号規格
暗号の方式は様々な方式が発表されているが、そのうち良く知られている規格を紹介する。
DES (Data Encryption Standard)
秘密鍵暗号方式の代表的な規格で1975年にIBMで開発された。
与えられた平文を特殊なテーブルを用いてかき回す作業を16回繰り返すことで、暗号化している。鍵の長さは64bitで、うち8bitはデータチェックに使われるため実質56bitである。
非常に単純な方法を用いているため高速なことと、暗号化ルーチンと複号化ルーチンが基本的に同等であることが特徴である。
米国商務省で標準の地位を確立していたが、現在では何種類かの破壊方法が開発されている上に、マシン速度の向上などからそれほど安全ではないとされている。このため、次期の暗号として採用されないことになっている。
トリプルDES
DESの変形。一つの文章に対してDESを3度適用する。この際に1回目、3回目は同じ鍵でDES の時号化プロセスを、2回目は違う鍵を複号化プロセスを行うことで暗号化している。このため、鍵長は実質112bitとなり、DESよりは強度が強い。なお、ダブルDESはある解読法を利用することでDESより強度が弱いことが証明されている。
FEAL (fast encipherment algorithm)
1986年にNTTにより開発された秘密鍵暗号方式の規格。
暗号化は与えられた平文を特殊なテーブルを用いてかき回す作業をN回繰り返すことで行う。
Nは当初4であったが、解読法が発表されたため、8,16,32.…などが用意された。鍵の長さはDESと同じ64bitであるが、DESと異なり64bitすべてが使用される。
DESより単純な方法を用いているため、処理がより高速であることが特徴であるが、強度を高めるためNを増やすことで、その特徴が損なわれることがある
MISTY
1995年に三菱電機により開発された秘密鍵暗号方式の規格4
暗号方法の基本的な部分はDESなどと似ているが、かき回すのではなく、関数によって演算を行っている この演算により、DESが持っていた欠点をより少なくし、DESより攻撃に対して強くなっている
また、ソフトウェアだけでなくハードウェアでの実装も行いやすいアルゴリズムになっている