日本財団 図書館


速度で接続される。通信制御装置は64Kbpsに相当する伝送速度を持つフレームリレーによって、地理的に隣接するATMノードと接続される。ローマ市が要求した場合には、ネットワーク・ィンターフェースを変更することなく、かつ経済的な負担をかけずに、2Mbpsに相当する伝送速度を可能にすることになっている。

 

7  AIPA

 

イタリア全体の情報化を推進する情報通信基盤を整備するために、西暦2000年の実現を目標にした「2000年プロジェクト」が政府において計画され推進されている。この2000年プロジェクトは、ィクリアの主要な都市において、自治体間の接続を含む高速大容量なネットワークを構築しようというものであり、物理的な基盤として光ファイバーを全国に敷設しようとするものである。

現在、このプロジェクトに参加して情報通信基盤の整備を進めているのは、 トリノ市、ボローニャ市、ナポリ市、ジェノバ市の各都市で、ローマ市に先んじて各都市ごとにプロジェクトを推進している。また、ローマ市の推進する情報化事業に対して、EU(欧州連合)から230億リラ(およそ18億4千万円)の助成金があり、8つの情報化推進のためのプロジェクトが遂行されている。

この2000年プロジェクトの推進は、イタリアのAIPA(AutoIヽita per l’informalica nella Pubbl上ca施航nistraz10ne)といわれる機関が推進している。AIPAでは、行政機関が構築しているそれぞれ異なる規格のネットワークを相互に接続できるための技術的、制度的取りまとめを行っている。具体的には、イタリア政府の機関における情報システムの開発の標準化、相互連絡及び統合をとおしての行政情報システムの促進、調整、計画及び管理をするため、また、行政活動におけるサービス品質の改善と公平さの達成を目的として、イタリア労働法n.39/93(G.U.n.42 del 1993年2月23日イタリア)によって1993年5月に設立された。これによって、政府内の意思決定のプに1セスにおいてより良いサービスを低コストで提供するとともに、情報交換の促進と幅広い支援を実現することを目指しており、特に以下の業務を主な任務としている。

・イタリアの3年間の予算計画について、首相への行政情報システム用の3年計画の提示。

・3年計画に基づいて推進する行政機関間の統合ネットワーク(Public Administration’s Unified Network)に関する省庁間のプロジェクトの監督。

・3年計画に基づく情報システムの管理、開発に関する全プロジェクトの調整と、このプロジェクトに関する契約の監視。

・情報システムの計画、実行、管理及び維持の基準の決定.

・行政情報システムにおける技術革新の促進。

・個人トレーニングのガイドラインとプログラムの決定。

・情報システムに関する商品とサービスの購入ルールの設定。

・大規模契約のモニター用手順と基準の決定。

・立法プロセスにおける省庁の長官に対する情報技術に関する問題のアドバイス.

・行政のプロジェクトに対する費用対効果の評価や監査、情報システム及び情報技術の導入に関する業務。

行政の統合ネットワークについては、AIPAが設立された当時、行政情報システムの

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION