代理請求も難しく、このような請求手続きが、ますます煩わしく感じられるようになっている。このため、近隣に所在する複数の市町村が連携し、この地域内であればどこの市町村の窓口でも、住民票の写し等の証明書類の交付を始めとする様々な行政サービスを受けることができるような、新しい行政情報システムの開発が求められている。
このようなニーズに基づき、地方拠点法の地域指定を契機として、平成7年5月、広域行政サービスの導入の可能性について検討するため、静岡県西部地方拠点都市地域の22市町本寸の企画担当課長を構成メンバーとする「静岡県西部広域行政サービスシステム研究会」を設置し、行政区域を越えた新しい行政サービスのあり方について研究を進めている。平成9年10月からは、この研究成果の第一段階として、22市町村をファクシミリネットワークで結んだ住民票写しの相互交付が始っている。
将来は、22市町十寸が共同でコンピュータ処理に係る標準行政情報システムを構築し、ネットワーク化することにより、システム開発・保守費用の軽減、人材の効率的な育成、行政サービスの高度化等に対応していく計画である。
(2)制度及びシステムの特徴
ここでは第一ステップとしてスタートしたファクシミリネットワークによる住民票写しの相互交付システムについて、その特徴等を記述する。
?@相互事務委託方式
この広域行政窓口サービスシステムは、制度的には相互事務委託による方式を採用する。これは地方自治法第252条の14の規定によるもので、2つの市町本寸間で規約を制定することにより、委託事務の管理及び執行を行う。したがって、22市町村間では、それぞれの市町村間の21市町村すべてと相互委託事務の規約を制定(22市町村間で総数231件)する。