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この事業の最大の特質は、従来の情報化事業が単一のハヨモノ(大規模な情報化施設など)や単一のシステム(住民向けパソコン通信サービスなど)に留まりがちであったことと異なり、柔軟″性と拡張性に富んだ情報通信ネットワークと情報提供システムを構築し、さらにそのネットワークと接続した施設を県ドに分散的に配置していくことにある。ネットワークと施設の機能が公衆回線を利用して家庭でも利用でき、あたかも県下全域がひとつの情報拠点施設に包まれたかのような状態を作り出すことを目指しているのである。

しまねフロンティアネットワーク

この事業で構築するしまねフロンティアネットワークは、大まかにいって、?@県民が行政情報や地域情報を手軽に取りだすためのシステム、?A一般公衆回線との接続をするアクセスポイント設備、?B情報を伝送する設備、から成っている。

?@「情報提供システムJは生活に必要な情報やサービスをコンピュータに蓄えておき、ネットワークを通じて提供するための仕組みである。県民は、ファックスやパソコンなど身近な情報機器を使用して、家庭にいながら最新の行政情報、地域情報を入手できるようになる。またメール・掲示板機能を利用して県内での交流を深めることt)できる。

しかし、便利なシステムも使い方がむずかしければ役に立たない。しまねフロンティアネットワークでは、県民が家庭のパソコンに組み込んで利用できる専用の使いやすい端末ソフトを開発する。また、このシステムはインターネットと同等な技術を採用しているので、外部のシステムとも比較的容易に連携できる。商用パソコン通信やインターネットとの連携など県外のシステムが利用できる環境づくりも今後目指していく。

?Aアクセスポイントは、家庭や事業所がこのネットワークを利用するときの「入り口」となる。家庭等から公衆回線を使って接続するのである。県下にはNTTの市内料金区域が13カ所あるが、この区域に一つずつアクセスポイントを設置するので、県内どこからでも市内通話料金でフロンティアネットワークで結ばれた地域サーバーへ接続でき、?@のサービスを利用する際の通信コストを最低に抑えることができる。

?Bアクセスポイントから先でサーバー間の情報伝送を受け持つのは、防災行政無線や衛星通信など様々な通信手段を組み合わせたネットワーク設備である。伝送する情報の性質に応じて最適な手段を選ぶ。多様な手段を組み合わせることで、災害時の被害も影響を抑えることができる。

こうして、平成10年度には全県下でこのような「いつでも、だれでも、県内どこからで()、安く公平な料金で使えるJ情報交流提供システムが利用できる。

これが、『しまねアトコンティアネットワーク』である。

95年の大騒ぎ―――ネットワーク社会の幕開け

平成7年の大騒ぎ、そのポイントをたったひとつだけ挙げるとすれば、それは「ネットワーク」である.コンヒ°ュー夕は、一台一台単独で使っても真の実力を発揮しない.各自のパソコンを、ネットワークを使って結びつけることで何倍もの効果が得られるのである。 日本ではコンピュータを単独で使うことが多く、ネットワークの重要性があまり認識されていなかった.その重要性にみんなが気づき、またネットワーク利用

 

 

 

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