第2節 岐阜県:行政機関間におけるネットワーク活用の現状と今後の取り組み
―情報の共有化をめざして一
岐阜県総務部情報システム管理室課長補佐 国枝 信男
は じ め に
岐阜県では、平成2年12月に、「いつでも、どこでも、誰でも」をスローガンに組織間の情報伝達や業務システムを稼働させるため、行政情報システムのインフラとして、岐阜県行政情報ネットワーク「RENTAI」を構築し、県の機関、全所属に各1台のデスクトップ型パソコンを接続した。このパソコンでは、電子メール、財務会計システムの端末としての利用やワープロ、表計算等のソフトが利用可能となり、事務の効率化が図られることとなった。
平成7年4月に、全ての職員が「ふるさと・岐阜」づくりについて共通の理解と情報を持つことによって、「日本一住みよいふるさと岐阜県」を実現するため、「行政情報銀行」GAIB構想が打ち出された。このGAIBを構築するため、一人1台パソコン体制の整備、RENTAIの再構築、市町村と全ての県機関のネットワーク化の実現を目指すこととなった。
平成8年3月に一人1パソコンを導入、同年7月1日から、これらのパソコンを接続した新しいRENTAIの運用が開始され、平成9年上月10日からは県下全市町村がRENTAIに接続され運用を開始した。
以下に、一人1パソコン体制等を実現する基となったGAIB構想、基幹システムとしての「RENTAIJ等の概要等について述べることとする。
※1「RENTAIJの語源は、Regional Network for Transmitting Administrative Informationの頭文字を組み合わせたもの。
※2「GAIBJは、Gifu Administrative Informations Bankの頭文字を組み合わせたもので、行政情報銀行という意味。「ゲイブ」と読む。
1 GAIB構想
前にも述べたように、全ての職員が「ふるさと・岐阜Jづくりについての共通の理解と情報を持つことによって、「日本一住みよいふるさと岐阜県」を実現するため、GAIB(行政情報銀行)を構築し、21世紀型地方自治への体質転換を図っていことするものである。GAIBを構築するための基本的な考え方は以下のとおりである。
?@ポストに関係なく全ての職員が情報にアクセスできるよう、情報に対する機会均等化を図る。
?A個々の職員の情報の質と量を確保し、行政のレベルアップを図る。
?B職員は誰でも対等にGAIBの構築、追加、補正に参画し水平ネットワーク効果で総力の発揮を図る.
?Cタテ系列(ボトムアップ・トップダゥン・協働)とヨコ系列(連絡・協議・協調)における情報交流の円滑化を図る。
これを実現するため、RENTAIを基幹システムとして、以下に対応できるネットワークとして再構築することとなった。
?@一人1パソコン体制の段階的整備