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霞が関WANの基本となる主な仕様を挙げれば、以下のとおりである。

(1)ネットワーク・プロトコル

インターネット・プロトコル(インターネットにおける事実上の標準)である「TCP/1 PIを採用している。

(2)メール・プロトコル

インターネットのメール・プロトコルは「SMTP」(「@」が付いたメールアドレスであらわされる)と呼ばれるものであるが、このSMTPには到達確認の機能(相手方に通信が届いたという送り手への確認メッセージ)がないことから、メール・プロトコルについては到達確認機能を有する「X.400」というISO(国際標準化機構)が定めたメール・プロトコルを採用することとした。ただし、X.400であらわされるメールアドレスは極めて冗長(数百文字のアドレスが必要となる場合がある)であり、利用上の不便を生ずるため、各省庁LANとの接続日でX.400からSMTPに変換するシステム的な操作を行っており、ユーザは省庁内部で使用している@付きのアドレスのままメールの送受信が可能となるような工夫を講じている。

なお、X.400による到達確認機能は、受け手のLANの入り日(SMTPへの変換サーバ)まで「確実に届いた」ことを示しているにすぎず、各省庁LAN内部で確実に相手方に届いたことを示していない。一層の通信の確実性を確保するためには、LAN内部にX.400又はそれと同等の到達確認機能を持たせていくことが今後の課題である。

(3)ネットワーク構成

インターネットでのプロバイダに相当する「霞が関WAN運用センター」を設け、そこと各省庁との間を商用の高速ディジタル専用回線(64kbps、128kbps又は256kbps)で接続している.専用回線の速度は、ユーザ省庁の規模で3段階(100人未満、100人以上1000人未満、1000人以上)に分けているが、今後の利用状況等を見ながら必要な改善を行っていくこととしている。

(4)インターネット接続

霞が関WAINをインターネットに接続するかどうかについては、省庁間で大きな議論があったが、民間部門への情報提供、各種の行政手続のオンライン化等の霞が関WANの発展性、利活用の可能性を考慮し、十分なセキュリティ措置を講じた比で、インターネットに接続することとした。

多くの省庁では、霞が関WANの運用開始前から独自にLANをインターネットと接続し、ホームページの提供、民間部門等とのメール交換を行っているが、一部省庁については、霞が関WAN運用センターに設けたインターネット接続機能を活用して、ホームページの提供、インターネットメールの利用を行っている (後述参照)

(5)セキュリティ措置

霞が関WANでは、種々のセキュリティ措置を講じているが、その主なものとして次のようなものがある。

 

 

 

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